裸足の季節

mustang1
フライヤーより引用

10代の女の子の瑞々しさ溢れる美しいシーンの数々は必見。
お話も画もキラキラとまばゆい作品。DVD買うと思います。

裸足の季節公式HP↓
http://www.bitters.co.jp/hadashi/

■あらすじ
舞台はイスタンブールから約1000km離れた黒海沿岸の小さな街。5人姉妹の末っ子である13歳のラーレは姉達と共にのびのびと学校生活を謳歌していた。
ある日、学校帰りに男友達と海で遊んでいた時、彼女たちが男友達に肩車をされていたという話を聞いた祖母と叔父に「ふしだらだ」と咎められ、5人の生活は一変。
その日のうちに病院で処女検査。パソコンや携帯、アクセサリーなど「不埒」とされるものは没収。学校に通うことも許されず、彼女たちは家に監禁される。近所の女性がやってきて花嫁修行が行われる日々。
挙句、事前に知らされることもなく見合いの席が用意され、長女、次女と次々に結婚させられていく中、ラーレはイスタンブールへの逃亡を決意する。

自由な生活に馴染んだ年頃の女の子が監禁されて強制的に結婚されていく…なんとも切なく憤りを感じる話ですが、5人姉妹がただ従っているわけではありません。
サッカー観戦のためにこっそり全員で脱走したり、長女はとその彼氏は窓越しに想いを確認し(このシーンがまた密やかで素敵)、さらには夜脱走してデートすることも。監禁されている室内でも水泳ごっこをしたりして楽しみを作っていきます。しくじることもあるけれど、めげずにたくましく生活していく姿が清々しいです。
そして女の子が5人も揃ってはしゃぐ姿はなんだか透明感があって瑞々しくて。ほんとに花のよう。

興味深く、そして物語に現実味をもたせているのは、姉妹の祖母を始めとする保守的な女性の描かれ方です。彼女たちは女性は「男性の言うことを聞くもの」「慎み深くあるべき」で、男性の前ではスカーフをかぶり、露出の少ない服装をすべきと考えています。そして姉妹を監視し、花嫁修行を行います。その一方で、自由に育った姉妹をどこかで理解し、保守的で且つ場合によっては暴力をも辞さない姉妹の叔父からかばう一面も持ち合わせているのです。
祖母も始めは監禁まですることには反対していますし、事件が起こるまで男女共学の学校に通わせ、携帯をもたせ、自由にさせていたわけです。保守的な考え方を是とし、自分もそれに従って生きているけれど、姉妹のことを大事に思っている故、そうではない孫世代の生き方も完全否定しないのかなぁと思いました。
自由に生きることを肯定していて、保守的な人々がただ姉妹を妨害するだけではない。その微妙な描かれ方がこの作品にリアリティを与えているように感じます。

みた後の後味も良いので、超オススメです。

 

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