少女ヘジャル

トルコ人の老人とクルド人の少女の心のふれあいを描いたヒューマンドラマ。
日本人からすると唐突な展開や、演出が時折あるかと思いますが、全体的には◎。始めはハラハラするものの、少しずつ互いに歩み寄っていくふたりの様子にほっこりします。
しかし、主人公が二人とも無口なので、トルコ語に耳を鳴らしたい場合は少々物足りないかも… ?

■あらすじ
ある日両親を亡くしたクルド人の6歳の少女ヘジャルは親戚の家に預けられるが、クルド人分離独立運動の拠点であったその家は武装警官に襲撃され、親戚は殺されてしまう。ただ一人生き残ったヘジャルは隣人のトルコ人ルファトの家に逃げ込む。

判事を引退し、妻に先立たれたルファト は静な余生に突然入り込んで来たヘジャルに戸惑う。また、ヘジャルはクルド語しか話せない為、二人は中々通じ合えない。ヘジャルを彼女の身寄りのもとへ戻すためルファトは行き場のないクルド人達の住む地域を尋ねるがその生活の厳しさを知り、ヘルジャとともに引き返す。家政婦のサキネの手助けもあり二人は少しずつ心を通わせていく。

が、ある日ヘジャルの祖父がやってきて。。。

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少女ヘジャル
2001年トルコ映画(2004年日本公開)
少女ヘジャル [DVD]

■クルド人問題について
最近は日本のニュースでも取り上げられているのでご存知の方も多いと思いますが、この映画を見る前にちょっとトルコのクルド人問題のことを知っておくと良いと思うので、一応ざっくり書きます。
トルコでは、トルコからの分離独立を求める世界最大の少数民族クルド人の一部とトルコ政府間で争いが続くという現状があります。また、クルド側には過激な考え方をもった一派もおり、テロ活動を時折おこしています。一方、分離独立を一切認めないトルコ政府はテロ組織としてだけではなく、独立運動に関しても厳しく取り締まっています。

そのような背景もあり、「武装警官が踏み込むシーンが残虐過ぎる」という理由でトルコ国内で上映禁止になったこともあったそうです。が、そこを監督のハンダン・イペクチが裁判で戦い勝訴。再上映にこぎ着けるという紆余曲折もあったそうです。

 

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